1200年以上の昔から湧き出る、つづら淵のひとしずくから生まれた『桜雫』。しゃなりしゃなりと歩く姿、上品な所作の中にもチラリと感じられる艶やかさに、彼女を一目見たものは皆とりこに。当時は羽衣を纏い、舞い降りてきた天女ではないかと噂されていた。ところが或る日、雫はいきなり姿を消してしまう。そもそもShuShuとは日本酒に宿る神。彼女を守る大切な役割を持った人々がいなくなったのが原因だった。長い年月を経て時は平成、一人の杜氏が現れた。蔵の中でたった一人、五感を研ぎ澄ませ樽と向き合う毎日。明治の時代から受け継がれてきた芳醇な味を再現しようと、周りの反対を押し切り蔵にこもる。幾歳月はあっという間に過ぎ、桜の花びらがひとひらこぼれる季節の頃、突如、杜氏の前に、その姿を現したのは雫だった。熱い彼の想いを知ってか否か、ひらりひらりと扇子を使って舞う彼女。その甘くて芯の通った柔らかな香りに、多くのShuShuたちも集まってきた。この日、つづら淵のひとしずくが、再び生き返ったのだった。
梨やメロンを思わせる果実香と米の旨みが広がるが、切れ味良く喉に落ちる。コシが強く風味も残るが、重すぎない。
温めると丸みが増して膨らむ。ブリの照り焼きや鰆の粕漬けなど、味の濃い料理にも合う。
明治11年(1878年)創業。100年以上の歴史を持つ老舗の酒造メーカーです
2008年6月、愛媛県では唯一平成の名水百選に選ばれた「つづら淵」の近くに当酒蔵はあります。明治11年の創業より137年ほどの歴史をもちますが、平成12年まで蔵は休蔵しており約10年間委託で製造を行っておりました。平成13年より現社長の近藤嘉郎の手により、自社製造を再開させました。自社製造の再開へ向け、社長が杜氏となることで、これまでの歴史を継承。反対意見もある中、五感(視覚・聴覚・味覚・臭覚・触覚)を研ぎ澄ますことで昔の味を再現することに成功しました。そして、平成20年には、全国新酒鑑評会にて金賞を受賞。これにより、造り酒屋としての復活を遂げ、現在に至ります。
約110メートルの深井戸から絶え間なく届く天然水と愛媛産の米とで醸す酒。水を意味する龍の伝説が息づく街で親しまれています。
近年、愛媛産の果物を使ったリキュール・地元のお米を使った甘酒も話題となっております。